トイレのフラッシュバルブの交換方法
商業施設や病院など不特定多数の人が利用するトイレにあるフラッシュバルブが故障してしまうと、多くの人たちが困ってしまいます。ここでは、フラッシュバルブが故障した場合の交換方法や、故障しないためのメンテナンス方法をご紹介。日ごろからこまめにチェックして、急なトラブルに見舞われないように準備しておきましょう。
フラッシュバルブの交換方法を紹介
トイレの水を流そうとしてレバーを押したら水が止まらなくなってしまった、逆に全く水が出てこない。このようなトラブルで困っている人は必見です。トイレには「フラッシュバルブ」と呼ばれる部品があり、この部分が故障してしまうと、水が止まらなかったり流れなくなったりしてしまいます。そこで今回は、このような事態に直面した時に役立つフラッシュバルブの交換方法をご紹介。フラッシュバルブの仕組みなどを踏まえて分かりやすく説明してあるので、緊急時の参考にしてみて下さい。
フラッシュバルブとはどんな役割があるのか
まずは、フラッシュバルブについて説明しましょう。例えば、和式トイレで用を足し終わったら、目の前にある銀色のレバーを手で下げて水を流すのが一般的ですが、そのレバーを含めた銀色のゴツゴツとした部品を総称してフラッシュバルブと呼びます。男性の場合、男性用の小便器の上にある銀色の部品を見たことがあると思いますが、あれも同じくフラッシュバルブです。
フラッシュバルブ式とロータンク式
フラッシュバルブのように水道管に直接、つながっているものを「フラッシュバルブ式」と呼ぶのに対し、一般家庭に多く見られるタンクに一度水をためてから便器へと流すタイプのものを「ロータンク式」と言います。ここでは、フラッシュバルブ式とロータンク式の仕組みの違いについて解説していきましょう。
ロータンク式
ロータンク式は、タンク内に水を貯めて、レバーを回すことでタンク下部のバルブが開き、水が流れる仕組み。トイレ内にタンクがあるので、タンクに給水される水を手洗いの水に活用できるというメリットがあります。一方、デメリットは、トイレの中に必ずタンクを設置しなければならないので、トイレの室内が狭くなりやすい点。また、一度水を流すとタンクの中に水がたまるまで待たなければならないので、連続して水を流すことができません。
フラッシュバルブ式
フラッシュバルブ式は、高水圧の水道管に直接、接続し、そのまま便器へと水を流します。ですので、水を貯めるためのタンクが必要ありません。つまり、水がタンクに貯まるのを待つ必要がないので、連続して水を流すことができます。また、タンクを設置する必要がないので、トイレ内が広く使えるというメリットも。この他、高水圧で水を流すことができるため、汚物が便器に付着するのを防ぐことも可能です。
このように、フラッシュバルブ式は、連続して使えたり、トイレの中が広く使えるので、ホテルやデパート、オフィスビル、病院、学校など不特定多数の人が利用する施設に設置されるケースが多い傾向にあります。
デメリットとしては、タンクがないため手洗い設備がトイレ内に設置できない点が挙げられますが、フラッシュバルブ式は不特定多数の人が使う場所に設置されているのがほとんど。これらの施設には別で洗面所が設けられているので、不便を感じることはほとんどありません。
フラッシュバルブの交換方法
それでは、フラッシュバルブの交換方法を紹介していきます。
事前に準備しておくもの
フラッシュバルブの交換には、新しいフラッシュバルブとモンキーレンチ、モンキーレンチよりも大きな口径のものを回す時に使うモーターレンチがあると便利です。
男性用小便器のフラッシュバルブの交換方法
まず初めに水が流れてこないようにしなければなりません。トイレ部品の取り換えや清掃などを行う時には、止水栓を占めるのが一般的ですが、フラッシュバルブの止水栓は、フラッシュバルブ本体についています。ですので、フラッシュバルブを交換する際には、止水栓ではなく、水道の元栓を閉めるようにしましょう。元栓を閉めたら、きちんと閉まっているか、トイレのレバーを回して確認しておくと安心です。
次は、フラッシュバルブを外す作業です。フラッシュバルブは、水道管と便器へ水を流す給水管の間に設置されているので、水道管側と給水管側の2か所を外す必要があります。まずは、給水管側から外していきましょう。フラッシュバルブと給水管は、ナットで締めて接続してあるので、モンキーレンチを使ってナットを緩めると簡単に外すことができます。ナットは、上下2ヶ所で固定されているので、きちんと両方とも緩めないと外すことができないので注意が必要です。
給水管側が外れたら次は、水道管側を取り外す作業に移ります。水道管側には、フラッシュバルブが直接、取り付けてあるので、フラッシュバルブごと反時計回りに回すと外すことが可能です。こちらはナットよりも口径が大きいので、モーターレンチを使うと回すことが出来ます。ある程度、緩んできたら手で回して取り外しましょう。
取り外したら、新しいフラッシュバルブを取り付けていきます。取り付ける前に水道管の中をのぞいてみて、ゴミや汚れがたまっていないかチェックし、タオルなどできれいにしておきましょう。
新しいフラッシュバルブを取り付ける時は、そのまま水道管につなぐのではなく、接続部分に防水用のシールテープを巻き付けるようにするのがポイントです。そのままつないでしまうと、水漏れをしてしまう可能性があります。巻き付ける回数は、一般的には3周程度ですが、シールテープの厚さやフラッシュバルブの取り付け口の大きさがメーカーごとに違うので、合わない時は上手に調整するようにしましょう。
水道管側に取り付けたら最後は、給水管側を取り付けて完了です。ですが、ここでも1点、注意しなければなりません。給水管とフラッシュバルブ本体の接続部分には、パッキンが挟んであるので、新品のものと取り換えておきましょう。なかなかパッキンだけを取り換えることはないので、このような機会に交換しておくのがおすすめです。
フラッシュバルブの交換が完了したら水道の元栓を開きましょう。また、新品のフラッシュバルブは、止水栓も閉まっているので、レバーを押してトイレに流れる水の量を確認しながら止水栓の開き具合も調整しなければなりません。
フロートバルブの購入方法
小便器用のフラッシュバルブは、大型のホームセンターなどで販売されています。もちろん、メーカーの公式サイトで注文することも可能なので、コールセンターに電話をするのもおすすめです。最近では、Amazonなどのインターネットショップでも取り扱っており、公式サイトで買うよりも安く販売していることもあるので、一度チェックしてみるのも良いでしょう。
大便器のフラッシュバルブは水道業者に連絡
大型のフラッシュバルブの交換を一般の人がするのは難易度が高すぎます。水道業者でも間違ってしまうことがあるので、メーカーに修理を依頼することがあるほどです。ですので、大便器のフラッシュバルブが故障した場合は、水道業者に連絡するか、もしくはメーカーに直接、相談してみましょう。
業者に頼んだ場合どれくらいかかるの
フラッシュバルブの交換を水道業者にお願いするとどれくらいのお金が必要になるのでしょうか。修理代は、修理の手間賃、出張代、部品代の3つを合わせた金額になります。
大便器の場合は、手間賃が10,000円~20,000円。出張料が3,000円前後、部品代が20,000~25,000円ぐらいが相場なので、30,000円台前半から50,000円になるケースがほとんどです。ただし、フラッシュバルブ本体が故障しているのではなく、フラッシュバルブの中にあるハンドルレバーやピストンバルブが経年劣化しているのが原因だった場合は、この部分だけを取り換えると直すことが可能。部品代金は、5,000円から10,000円で済むので、フラッシュバルブそのものを交換するよりも安価になります。
一方、小便器の場合は、手間賃が5000円~10,000円、出張料は同じく3,000円程度、部品代が5,000円~10,000円となり、合わせて13,000円から23,000円程度になります。こちらも大便器の時と同様に、ピストンバルブやボタンが故障の原因の場合、これらの部品を交換するだけで良いので、本体を代えるよりも費用がかかりません。
フラッシュバルブが故障しないためのメンテナンス法
フラッシュバルブが壊れないようにするためには、こまめにメンテナンスをしておくことが重要です。具体的には、フラッシュバルブの中にあるピストンバルブを清掃するのがおすすめ。ここでは、ピストンバルブの掃除法について紹介していきます。
大便器の場合
最初にフラッシュバルブの上部にある止水栓を閉めましょう。マイナスドライバーを当て込んで、反時計回りに回すだけで閉めることができます。栓を閉めたらモンキーレンチを使ってフタを外し、中からピストンバルブを取り出しましょう。ピストンバルブには、フィルターがあり、設置してから時間が経過するとフィルター部分にゴミなどがたまるので取り除きます。使い終わった歯ブラシなどで簡単に磨くだけで掃除をすることが可能です。掃除が終わったら、同じ手順で元通りにしていきましょう。この作業を1か月に一度するだけで、故障する確率は大きく変わってきます。急なトラブルに見舞われないように普段からしっかりとメンテナンスをしておきましょう。
小便器の場合
続いて、小便器の清掃方法です。小便器用のフラッシュバルブは、本体がむき出しになっている「露出型」と、カバーで覆ってある「カバー型」があり、それぞれ掃除の方法が異なります。
まず露出型ですが、こちらは大便器のケースとほとんど同じです。注意しなければならないのは、ピストンバルブの接続部分にある穴にゴミがたまること。とても小さい穴ですが、この部分にゴミがたまると故障の原因になります。細い針金などを使ってゴミをきちんと取り除いておきましょう。
次にカバー型です。最初に止水栓を閉めるのですが、この時、何周栓を回したかをきちんと覚えておきましょう。栓を閉めたらカバーの下部にあるロックを解除し、カバーを取り外します。外すとフラッシュバルブが出てきてネジで固定されているので、ドライバーを使ってネジを外し、上部にあるカバーとその次に出てくるスプリングを取り外しましょう。するとダイアフラム弁が見えてくるので変形していたり破損していないかをチェック。小さい穴に息を吹き込んでほこりを吹き飛ばしたら掃除は完了です。同じ手順で、元通りし戻していきましょう。
まとめ
フラッシュバルブは、構造が複雑なので他の部品の修理や交換に比べて難易度は高いケースがほとんど。中でも大便器のフラッシュバルブの交換は、よっぽど知識と技術に自信がある場合を除き、水道業者やメーカー相談するようにしましょう。小便器の方は、大便器に比べると簡単ですが、難易度は低くないので、無理そうだと感じたら早めに修理を依頼するようにするのが得策です。
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