トイレの排水はどう処理されるの?
環境のためにも正しく使おう
トイレの排水は、排水管を通って「汚水ます」や「公共汚水ます」を経由し、下水道管へ流されます。その後、下水処理場や水再生センターでキレイに処理されたあと、海や川へと流れていきます。
ただ、下水処理されるからと言って、トイレから何でも流して良いわけではありません。流すものによっては水が処理される前に海や川へが流れてしまったり、下水道管のつまりを引き起こしたりする原因になります。公共のため、地球環境のためにもトイレは正しく使いましょう。
以下に、トイレでのNG行為をまとめました。トイレの故障やつまりを防ぐことにもつながるので、ぜひ覚えておいてください。
トイレにも環境にも優しくない行為
油分を含むものを流す
カップ麺の残りや残飯など、油分が含まれたものを流す行為はNGです。油は下水道管に入ると冷えて固まり、大雨の時などに下水管からはがれ、海や川に流れ出すことがあります。
スプーン1杯の油をきれいにするには、浴槽10杯分の水が必要です。環境汚染になりかねないので避けてください。
流す回数を減らす
「節水のため」と言って、1度排泄してもトイレを流さず、何度か排泄してから一度に流す方法がありますが、流す回数を減らす「溜め流し」はおすすめできません。
放置した尿は白く石灰化し、硬い「尿石」となって便器や配管にこびりつきます。一度こびりついてしまった尿石は、トイレ用の洗剤を使ってこすってもなかなか落ちることはありません。
ひどい場合には配管が詰まってトイレの故障を引き起こすので、溜め流しによる節水は避けるようにしましょう。
トイレットペーパー以外のものを流す
当然ですが、水洗トイレにトイレットペーパー以外のものを流すのはNGです。トイレットペーパーは水に溶けるようになっていますが、紙おむつや生理用品、ティッシュペーパーなど、水に溶けにくいものは排水管のつまりの原因になります。
家の排水管だけでなく、下水道本管がつまって下水道河川や下水道施設に影響を及ぼすこともあるので注意しましょう。
また、「トイレに流せる」と記載されている商品であっても、大量に流すとつまる場合がありますので注意してください。
お湯で掃除する
トイレのつまりを解消する目的でお湯を流す人がいます。しかし、熱で溶けない汚れやつまりに対してお湯をかけても意味はありません。
また、便器はお湯を流すことを想定してつくられていないため、熱湯をかけると便器の陶器部分にヒビが入ったり割れたりしてしまう可能性があります。配管やトイレそのものを交換しなくてはならなくなるため、絶対に避けましょう。
トイレタンク内を掃除しない
便器を掃除したのに便器の黒ずみやニオイ残りが起こるトイレは、トイレタンクが汚れている可能性があります。トイレタンク内は水アカや黒カビが発生しやすく、便器に流れるとトイレ全体に汚れが広がってしまいます。市販の酸素系漂白剤やトイレのタンク用洗剤を使えば、トイレタンクを開けて水を止めなくても簡単に掃除ができます。月に1度程度はトイレタンク内も掃除するようにしましょう。
どうしても汚れが取れない、トイレのつまりを解消できない場合、自力だけで解決しようとするのはおすすめできません。事態の悪化を防ぐためにも、水道工事に詳しい専門業者に依頼するようにしてください。