トイレが故障するサインを見逃すべからず!
トイレ故障の予兆を知って早めに対策しよう
「最近トイレの水の流れが悪い」「水がチョロチョロ出続けているのが気になる」などの症状がある場合、トイレ故障の予兆かもしれません。トイレ故障の予兆を放置し続けていると、水漏れなどのトラブルに発展する可能性があります。ここでは、見逃したくないトイレ故障のサインを紹介。また、部品を交換する際の手順や業者に依頼したほうがいいケースなどについても解説しています。
トイレ故障のサインかもしれない7つの症状
手洗い管から水がチョロチョロ出る
トイレを流した後に手洗い管から水がチョロチョロ出る場合、「手洗い管の出水口にゴミなどが溜まってないか」「タンク内の手洗い管の付け根やボールタップとの接続部に不具合がないか」を確認します。手洗い管の出水口にゴミなどが溜まっている場合は、爪ようじなどで取り除きましょう。
手洗い管やボールタップとの接続部に不具合がある場合は、メーカーに問い合わせて部品を交換する、もしくはホームセンターなどで部品を購入して交換します。
トイレを流してから時間が経っても水がチョロチョロ出続けている場合、考えられる原因は「レバーにつながっている鎖や浮き玉が引っかかっている」「ボールタップやゴムフロート、浮き玉の故障・劣化」の2つです。鎖や浮き玉が引っかかっているのが原因であれば、元の位置に戻すことで症状が改善します。部品の故障・劣化が原因の場合は、新しい部品に交換しましょう。
トイレの水が止まらない
トイレの水が止まらない、または少量の水が流れ続けている場合、まずはトイレの止水栓を閉めましょう。トイレの止水栓は、壁もしくは床に設置されています。止水栓はマイナスドライバーを使って閉めますが、マイナスドライバーがない場合はハサミやスプーン、硬貨、プルタブなどで代用可能です。
トイレの水が止まらない原因のほとんどはタンク内にあるため、止水栓を閉めたらトイレのタンクのフタを開けてタンク内の部品が外れていないか、タンク内の部品が消耗・破損していないかを確認します。特にチェックしたい部品は浮き玉・ボールタップ・フロートバルブの3つです。部品に不具合が見つかった場合はメーカーに問い合わせて部品を取り寄せる、またはホームセンターなどで部品を購入して交換しましょう。
便器内の水の流れが悪い
便器内の水の流れが悪かったり、水がなかなか引かなかったりするのは、トイレが故障する一歩手前の症状です。トイレの水が悪くなる原因としては、「排水管の異物のつまり」「排水管の汚れの蓄積」があげられます。そのため、排水管のつまりや溜まっている汚れを取り除いてあげれば、水の流れを改善できるでしょう。
便器内の水の流れが悪いときの対処法としては、ラバーカップを使用して排水管のつまりを除去します。ラバーカップには「和式用」「洋式用」「節水型トイレ用」の3種類があるので、トイレの種類に合ったものを使用してください。ラバーカップを使用しても症状が改善しない場合は、排水管に汚れが蓄積している可能性が考えられます。
そういったときは水道修理業者に相談し、高圧洗浄機などで排水管の掃除をしてもらうと良いでしょう。
水を流したのにトイレットペーパーや排泄物のカスが残っている
トイレの水を流したのに、便器内にトイレットペーパーや排泄物のカスが残っている場合、考えられる原因は「排水管のつまり」「排水管の汚れの蓄積」「便器に流れる水の勢いが弱い」の3つです。トイレの排水管は上側に湾曲した形をしているため、水の勢いが弱いとトイレットペーパーや排泄物がしっかり流れないことがあります。
便器に流れる水の勢いが弱くなってしまうのは、トイレのタンクに溜まっている水の量が減っているからかもしれません。水の勢いが弱いと感じたら、トイレのタンクに溜まっている水の水位を確認してみましょう。
トイレの適切な水位の基準はオーバーフロー菅という部品に記載されている「W.L」の位置です。W.Lよりも低い位置に水位がある場合はタンクに溜まっている水の量が少ないので、ボールタップと呼ばれる部品の角度を調整する必要があります。
メーカーによってボールタップの角度の調整方法が異なるため、メーカーの公式サイトまたは説明書をご確認ください。
便器内の水の量が少ない
便器に貯まる封水の量が少ない原因として考えられるのは、「誘導サイホン作用によるもの」「補助水管の故障」「便器のひび割れ」「トイレのつまりによる毛細管現象」の4つです。
誘導サイホン作用とは、上階から大量の水が一気に排水管に流れ落ちてきたことにより、排水管内の圧力が低くなってトイレの封水が排水管に吸いだされてしまう現象を指します。誘導サイホン作用は2階建て以上の家や集合住宅で発生しやすく、通気管の設置や排水管の交換が必要になるので個人では対処できません。
集合住宅に住んでいる場合は、ほかの部屋で同じようなトラブルが起きていないか大家さんや管理会社に確認し、修理を相談してみると良いでしょう。
4つ目の毛細管現象とは、細い管の中で液体が吸い上げられる現象のことです。紙の繊維は毛細管現象を起こしやすいため、つまったトイレットペーパーなどが封水を吸い上げることで水量が減っている可能性があります。トイレで毛細管現象が起こることは滅多にありませんが、トイレがつまっている可能性が考えられる場合は早急につまりを解消しましょう。
悪臭がする
トイレから下水のような悪臭がする場合、便器内の封水が少なくなっていないか、トイレ掃除を定期的に行っているか、便器から水漏れがしていないかを確認しましょう。
トイレからの悪臭の原因ででまず考えられるのは、掃除不足です。便器の溝やふちなどに汚れが溜まって、悪臭の原因になっていることがあります。また、便器内に溜まっている封水がいつもよりも極端に少ない、もしくは封水がない場合は封水切れが悪臭の原因と考えてまず間違いないでしょう。
そのほか、便器にひび割れが入るなどで汚水が漏れている場合も、悪臭の原因になります。パッと見て問題がなさそうな場合でも、裏側や床との接続部から水漏れを起こしていることもあるので、細かく確認するようにしてください。
封水切れや便器からの水漏れによる悪臭は自分では対処できないケースが多いため、掃除不足が原因じゃない場合は業者に相談してみることをおすすめします。
水道料金が急に高くなった
水道料金が先々月や先月と比べて急に高くなっている場合、家のどこかで水漏れが発生している可能性があります。水漏れの有無は、庭や敷地内に設置されている水道メーターを確認しましょう。水道や蛇口を止めた状態で水道メーターのパイロットが回転している場合、水漏れが発生している可能性が高いでしょう。
どこで水漏れが発生しているか分からない場合は、業者に調査を依頼してください。
故障した部品を交換するときの流れ
止水栓を必ず閉める
故障した部品を交換する際は、まず止水栓を閉めましょう。止水栓は給水管からタンクに流れ込む水の勢いを調節したり、水を止めたりする役割のある部品です。止水栓を閉めておかないと、作業中に何かトラブルが発生した際にタンクから水があふれてしまう可能性があります。
止水栓は給水管の接続口付近の壁や床に設置されているため、作業を始める前に位置を確認しておきましょう。止水栓はハンドルタイプなら手で、ねじタイプならマイナスドライバーなどで右に回して閉めます。止水栓が固くて回らないという場合は、無理して回そうとすると配管を破壊してしまう可能性があるため、家屋全体の元栓を閉止してください。
電源プラグを抜いておく
ウォシュレットやシャワートイレといった温水洗浄便座がついたトイレの場合、作業前に電源プラグを抜いておきましょう。電源プラグを抜いておかないと、部品交換中に水がこぼれてしまった際に感電する恐れがあります。また、抜いた電源プラグが水で濡れないように注意が必要です。作業後に手が濡れている場合は、必ず手を拭いてから電源プラグに触れるようにしてください。
ボールタップを交換する方法
ボールタップの交換手順は以下の通りです。
1.タンクのフタを外す
2.レバーを回してタンクの水を流す
3.ボールタップを押さえ、給水管についている丸みのある形状の袋ナットとタンクに接しているロックナットをモンキーレンチで外す
4.タンクからボールタップを引き抜く
5.新しいボールタップをタンクに設置する
6.設置したボールタップを押さえ、給水管の袋ナットとロックナットをモンキーレンチで締める
7.タンクのフタを戻す
8.止水栓を元の位置まで開く
ナットをモンキーレンチで外す際は、作業中にパッキンをタンクに落とさないように注意しましょう。また、新しいボールタップを設置する際に、パッキンを元の位置に戻します。パッキンが劣化している場合は、新しいものと交換してください。
フロートバルブと鎖を交換する方法
フロートバルブと鎖の交換手順は以下の通りです。
1.タンクのフタを外す
2.レバーを回してタンクの水を流す
3.フロートバルブの鎖をレバーから外す
4.フロートバルブのゴム部分を持って、引き抜くように外す
5.新しいフロートバルブを設置する
6.新しい鎖をレバーにつける
7.フロートバルブが上下するかレバーを回して確認する
8.タンクのフタを戻す
9.止水栓を元の位置まで開く
新しい鎖を設置する際は若干たるませる必要があるので、古い鎖の長さを確認しておくと良いでしょう。フロートバルブはタイプによって設置形式が異なるため、古いフロートバルブがどんなふうに設置されているのかを確認しながら外してください。
トイレレバーを交換する方法
トイレレバーの交換手順は以下の通りです。
1.タンクのフタを外す
2.レバーを回してタンクの水を流す
3.ボールタップを押さえ、給水管についている丸みのある形状の袋ナットとタンクに接しているロックナットをモンキーレンチで外す
4.タンクからボールタップを引き抜く
5.新しいボールタップをタンクに設置する
6.設置したボールタップを押さえ、給水管の袋ナットとロックナットをモンキーレンチで締める
7.タンクのフタを戻す
8.止水栓を元の位置まで開く
古いレバーを取り外す際に位置を確認しておくと、新しいレバーをスムーズに設置できます。
業者に修理を依頼した方がいいケース
トイレ本体やタンクに破損・ひび割れが見られる場合、業者に修理を依頼することをおすすめします。自分で対処するとなるとタンクを持ち上げるなどの労力のかかる作業が必要となり、危険も伴います。きちんと修理しないと破損やひび割れした部分から水漏れが発生し、大きな被害につながりかねないため、確実かつ安全に修理するにはプロの業者に依頼しましょう。
また、温水洗浄便座の水漏れ修理も電気系統などの専門知識が必要になるので、業者への依頼をおすすめします。
トイレを買い換えた方がいいケース
部品を交換するだけでは不具合が再発するときもあるので、そういった場合はトイレの買い換えを検討しましょう。ただ、トイレ修理の知識がないと部品の交換やトイレの修理をしたほうがいいのか、買い換えを検討したほうがいいのかは判断が難しいところです。
そういった場合は、不具合の調査から修理・買い換えの相談まで幅広く対応している業者の無料見積もりを利用するという方法もあります。複数の業者に相談し、専門的な知識や経験から自分にとっての最適な方法を提案してもらうことをおすすめします。
トイレの買い替えに必要な工期・費用
便座だけを交換する場合
便座の種類は主に機能がついていない普通便座と、温水洗浄の機能がついた温水洗浄便座の2つがあります。便座を自分で交換する場合、普通便座なら取り付けにかかる時間は30分~1時間程度です。温水洗浄便座の場合は給水管や分岐器具の取り外し、便座との接続などの作業が必要になるため、1~2時間程度かかります。
また、自分で交換する場合、設置にかかる費用は本体代だけで済むので普通便座なら数千円、温水洗浄便座だと4~10万円が目安となります。
洋式トイレに変更する場合
トイレ本体の交換は作業手順や必要な道具も多いため、水回りの修繕のなかでも難易度の高い作業です。そのため、水回りの修繕に慣れていない場合は、費用を抑えたいからと無理にDIYで対応しようとするのはおすすめしません。
業者に依頼して和式トイレから洋式トイレに変更する場合、和式トイレの便器や床などを解体して、洋式トイレを設置するスペースを作り直す必要があります。それから配管工事や床・内装工事、洋式便器の取り付けといった工事が行われるため、1~2日程度かかります。費用はメーカーによって異なりますが、相場は工事費用を含めて約25万~60万円です。
タンクレス式に変更する場合
タンク式からタンクレス式の洋式トイレに変更する場合、手洗い場の設置が必要です。工事の範囲が広くなるので、1~2日程度かかります。費用相場は、本体と工事費で40万~70万円前後。さらに手洗い場を設置する場合は10万~18万円程度の追加費用が発生します。
トイレ交換時期の目安
トイレ本体には耐久性に優れた陶器や有機ガラスが使われているので、かなり長持ちします。陶器と有機ガラスのどちらが長持ちするのかについては、どのメーカーのものでも交換時期に大きな違いはないようです。ただし、本体にひび割れや破損が生じた場合は修理や交換が必要になります。また、中の部品が壊れると被害が拡大する恐れがあるため、部品に不具合や劣化が見られないかのチェックは定期的に行なっておくと良いでしょう。
トイレは毎日使用するものなので、水道料金が気になるという人もいるはず。2006年以降に販売されたトイレは節水性能が向上しているため、それ以前に製造されたトイレを使用していて水道使用量を抑えたい場合は、新しいトイレへの交換をおすすめします。そのほかにも近年発売されたトイレは掃除しやすい形状や表面加工が施されていたり、消臭機能や節電機能が搭載されていたり、とさまざまな進化を遂げています。
まとめ
トイレは生活に欠かせないものだからこそ、故障してトイレが使えなくなると生活に支障が出かねません。また、水漏れによって水道料金がかさんだり、床が水浸しになったりなどのトラブルに発展する恐れもあるので、早めの対処が重要になります。早めに対処できるようにするためにも、トイレが故障する予兆にはどんなものがあるのかを把握しておくようにしましょう。
トイレの不具合によっては自分で対処するのが難しいものもあるので、いざというときに備えて信頼できる業者を探しておくのもおすすめです。本サイトではエリア別に水道業者を紹介しているため、業者を探す際の参考にしてください。