トイレがつまる原因
突然発生したトイレのつまり。原因や解消方法をご紹介いたします。
トイレがつまってる!どうして?
家庭内で1日の使用頻度が高いトイレ。そんな中「トイレがつまった」という経験をした方も結構いらっしゃいますよね。トイレのつまりはどういったことが原因なのでしょうか。紙?それとも他のもの?原因がなにか突き詰めると解決方法を探し出すことができますよ。トイレで起こり得るつまりの原因をいくつかご紹介いたします。
いつから症状が出たのか?
トイレの詰まりの原因を大まかに把握するためには、いつからトイレの流れに異変が起きたのかを振り返ってみてください。異変のタイミングによって、便器に問題があるのか、それとも排水管に問題があるのかを概ね判断できます。
何の前触れもなく突如としてトイレが詰まってしまった場合には、便器に問題がある可能性が高いと言えます。また少し前から、水の流れ方に異変がある場合、あるいはトイレが詰まる前に「ゴボゴボ」という異音を確認した場合には、便器以外の部分に問題がある可能性があります。
トイレの詰まりの原因を予想するための第一段階として、前触れの有無をよく思い出してみましょう。
何を流したのか?
水に溶けないティッシュペーパーなどを流した
トイレットペーパーが切れていたからと言って、ティッシュペーペーなどの水に溶けない紙を流した記憶はないでしょうか? トイレットペーパーとティッシュペーペーは、同じような紙に見えますが、その性質はまったく異なります。トイレットペーパーを水に浸けると速やかに溶けだし、水と一体のような姿になりますが、ティッシュペーペーを水に浸けても、いつまで経っても原型のままです。
ティッシュペーパー以外にも、便器のお掃除シートや赤ちゃんのお尻ふきなどの中には、水に溶けないタイプのものもあります。これらを流した記憶があるのならば、排水管ではなく便器に問題があると考えられます。
大量のトイレットペーパーを一気に流した
トイレットペーパーが水に溶けるとは言え、あまりにも大量のトイレットペーパーを一気に流してしまった場合、トイレが詰まることがあります。
トイレの流れが正常かどうかを試す際、ゴルフボール大に丸めたトイレットペーパーを7個ほど一気に流す実験が行われます。7個同時に流れればトイレには問題がない、ということです。見方を変えれば、問題のないトイレでも8個同時に流すと詰まる可能性がある、ということ。よって、一度に大量のトイレットペーパーを流した後にトイレが詰まった場合は、排水管ではなく便器に問題が生じている可能性が高くなります。
異物を流した
雑巾、使い捨てカイロ、おもちゃ、携帯電話、生理用品、芳香剤のフタなど、トイレに流すべきではない明らかな異物を流してしまった場合、詰まりの原因は便器にある可能性が高いと言えます。自力で異物を取り出すのは困難なので、業者に依頼して除去してもらうようにしましょう。
問題を起こすようなものを流した記憶がない
上記のようなものを流した記憶がない場合、便器ではなく排水管に問題が生じている可能性があると考えられます。
今回だけか、頻繁に起こるのか
トイレの詰まりが今回だけ起こったのであれば問題は大きくないのですが、時々または頻繁に起こる場合には、何らかの原因が便器に常駐している可能性があります。多い例としては、ボールペンや割りばし、注射器など、細い形状の異物が便器の中に引っかかっている場合です。
形状が細い異物が引っかかっている場合、基本的には水を通すものの、時々トイレットペーパーが引っかかるなどして、水の流れが悪くなることがあります。引っかかったトイレットペーパーが流れてしまえば、またトイレの流れは良くなります。
時々、または頻繁に詰まりが発生する場合には、何らかの細い形状の固形物を流したことがないか、よく考えてみましょう。
トイレの症状を確認する
タンクは正常に働いているが、便器の水の流れが悪い
タンクからの水の流れに問題はないものの、便器内での水の流れが悪い場合には、便器や排水管で何らかの異物がひっかかっている可能性があります。異物が完全に水路をふさげば水があふれてきますが、異物が中途半端に水路をふさいでいるために「水は流れるものの、流れが悪い」という状態になります。
この場合、すでに流れを悪くする異物がどこかに存在していることは確かなので、やがて別の異物などが流れ込むことで徐々に水路を狭め、やがて本格的な詰まりへと発展することがあります。症状が軽度のうちに、何らかの対処をしたほうが良いでしょう。
便器の水位が高くなってきた
便器が正常な場合、水を流した際に便器内の水位が上がることはありません。ところが何らかの異物が便器または排水管に詰まっていると、水の流れが悪くなって水位が上昇することがあります。
便器内の水位が上昇した場合には、まず何もせずに水位の変化を見守ってください。水位が徐々に下がってくるようであれば、わずかに水の流れる隙間が存在しているということです。水位が変化しないようであれば、トイレが完全に詰まったということです。水位の変化を確認することによって、詰まり具合の程度を把握します。
ここで注意したいのが、素人考えで無理な対処をしないということ。中には水流レバーをもう一度引いて、その水の勢いで詰まりを解消させようとする人もいますが、これはお勧めできる対処法ではありません。運良く詰まりが流れれば良いのですが、運悪く詰まりが流れなかった場合には、水が便器からあふれ出す恐れがあります。
またラバーカップ(スッポン)で無理に水を押しやることも、ハイリスクです。ラバーカップは軽度の詰まりに対応するグッズ。トイレの中に重度の原因が存在していた場合、ラバーカップを使用することで事態を悪化させる恐れがあります。
詰まりの原因を特定し、原因に合った適切な対処を行なうことが大切です。
タンクからの水量が少ない
用を足した後に主流レバーを引いた際、いつもよりも水量が少なく、水勢が弱いと感じたら要注意です。この症状は、もちろんトイレの詰まりではなくタンク内での問題。ただしこの症状を放置すると、やがてトイレが詰まってしまう恐れがあります。
用を足した際、トイレットペーパーや便を完全に流すためには、一定の水量と水勢が必要です。水量や水勢が不足している場合には、トイレットペーパーや便などがしっかりと流れず、やがて蓄積してトイレを詰まらせてしまうことがあるのです。
タンクからの水量が少ない場合には、タンク内を開けて原因を確認してみてください。フロート弁の問題など、素人でも原因の特定が用意である場合があります。タンク内の不具合を改善したうえで、常に適切な水量・水勢を保つようにしてください。
水を流すと異音がする
水を流したときに、普段には聞かれない異音(ボコボコ、ポコポコなど)に気づいた場合、便器や排水管に何らかの問題が生じている可能性が高いと言えます。近いうちにトイレの詰まりに発展する恐れがあるので、早急に原因を究明し、適切な対処をとりましょう。
トイレの異音に気づいた場合には、その異音がどこから聞こえているのかを確認してみてください。異音が生じている場所に応じ、以下のような症状・原因が考えられます。
便器の中から異音が聞こえる
水を流した際、便器の中から「ポコポコ」といった異音が聞こえた場合には、便器の中に何かが詰まっている可能性があります。詰まった異物がスムーズな水流を妨げ、妨げられた水流が異音を生じているケースです。
便器のさらに奥のほうから異音が聞こえる
水を流した際、便器というよりも、便器のさらに奥のほう(床のあたり)から「ポタポタ」といった異音が聞こえることがあります。通常、その音はやがて聞こえなくなってくるのですが、継続的または断続的にその音が聞こえる場合には、排水管に何らかの異変が生じている可能性があります。
タンクの中から異音が聞こえる
水を流した際、タンクのあたりから「シュー」といった異音が聞こえ、なおかつ、その音が継続する場合には、タンクから便器につながる経路に何らかの問題が生じている可能性があります。
ウォッシュレットから異音がする
用を足した後、ウォッシュレットの使用中に機器の部分から異音がすることがあります。あるいはシャワーがうまく機能しない場合があります。これらの症状がトイレの詰まりを起こすことはないので、安心してください。ただしウォッシュレットの機能に何らかの異常が生じている可能性があるため、メーカーの相談窓口等に連絡をしてみることをお勧めします。
以上のように、トイレやその周辺から異音が聞こえた場合には、トイレのどこかに何かしらの異変が生じている可能性が高いと言えます。音の種類や継続時間などを確認のうえ、原因を考え、可能な範囲で調査をしてみましょう。ご自身での調査が難しいと感じられた場合には、大事に至らないよう、速やかに専門業者へ相談してみることをお勧めします。
トイレのつまりやすい箇所
排水管のS字部分がつまりやすい
トイレの排水管はS字の形をしているため、カーブが多くつまりやすい形状になっています。S字状になっているのは、便器に水を貯めておいて下水の臭いをブロックするため。この水を「封水」と言います。
またS字の構造は、サイフォン作用という水や汚物を吸い込む動きをおこすのに必須です。適切に使っている分にはつまることはほとんどありませんが、大量のトイレットペーパーや異物を流すと、つまる可能性が上がるので気をつけましょう。
物がつまる
トイレットペーパーによるつまり
つまりのほとんどは「トイレットペーパーの大量使用によるもの」。一度に流すトイレットペーパーの量が多く、すぐに分解できないことが原因となっています。小さなお子さんのいる家庭ではありがちのようです。小さいうちはトイレットペーパーをうまく切ることができず、ふき取れる妥当の長さも把握していないことがほとんど。さらに巻き取ることが楽しくなり、トイレットペーパーで遊び、そのまますべて流してしまう…。こういったことを未然に防ぐ方法があります。お子さんが使いやすいようにトイレットペーパーを小さくたたみ、あらかじめ準備しておくと良いでしょう。
ティッシュペーパーによるつまり
トイレットペーパーの買い置きを忘れてしまった緊急事態に、代わりとして使用することがあるティッシュペーパー。この2つの性質は似ているようで異なっています。濡れた手で触ると分かりやすく、水に溶けるのがトイレットペーパー、溶けにくいのがティッシュペーパーです。最近では水に溶けるティッシュもありますが、家庭で使っているのは一般的なティッシュがほとんどですよね。それをトイレに流してしまうと、つまりを引き起こす原因となります。やむを得ずティッシュペーパーを使用した場合は、きちんとゴミ箱に捨てましょう。
固形物によるつまり
大きさや形がさまざまな固形物は、とても小さいものならそのまま流れていきます。ですが、一切水に溶けないうえ、サイズによっては流れないため、配水管に引っかかることがつまりの原因となります。無理やり押し流そうとすると、トイレの別の箇所を破損してしまう場合もあるので注意しましょう。「子どものおもちゃがトイレの中へ落ちてしまった」というケースがあるようですが、固形物を落とすのは子どもだけではありません。「胸ポケットにペンや携帯電話を入れていることを忘れ、かがんだ際に落としてしまった」というのもよくあることです。トイレに入る際はポケットの中身に気を付けて、あらかじめ取り出しておくようにしましょう。
おむつ・生理用品によるつまり
おむつや生理用品は、綿状パルプ・高分子吸収材などが材質として使用されており吸水性に優れています。トイレの中に捨ててしまう・落としてしまうと、水をどんどん吸水し膨張してしまうことでつまりの原因となるのです。肌に触る部分も吸水紙や不織布でできているため、水に溶けることはほぼありません。誤ってトイレ内に落としてしまった場合は、ためらわずすぐに取り除くのがおすすめです。もしも流してしまった場合、ワイヤーブラシなどでかき出してください。ラバーカップで押し流すことは厳禁です!時間がたつほど状況は悪化してしまい深刻になってしまうので、気づいたら早めに対処しましょう。
食べ残し・嘔吐物などによるつまり
食べ残しや嘔吐物は油分を含んでいるので、水に浮きやすいという性質があります。便器内で浮き上がることにより、便器の内部や配管に付着して水の流れを悪くしてしまうのです。また嘔吐物に含まれる胃酸には、浄化槽のバクテリアを死滅させる原因になることも。嘔吐物はなるべくビニール袋に入れて燃えるゴミで処理しましょう。もしもトイレで吐いてしまった場合は、1度流した後も2~3回程度流して便器内に残らないように注意してください。
トイレ砂によるつまり
同じ排泄物であっても、ネコ用のトイレ砂を流してしまうと、つまりの原因に。パッケージに「トイレで流せる」と表示されていても要注意です。そもそも、トイレ砂は水分を吸収しやすいように作られています。水に溶けるよりも水を吸収するという役割が大きいため、なかなか水に溶けてくれません。トイレに流してしまうと、その性質のせいで便器内や配管内にこびりついてしまい、つまりの原因になってしまうのです。多少面倒だと思っても、燃えるゴミとして処分することをおすすめします。
水圧が足りない
押し流す水圧が足りない原因として2つの可能性が挙げられます。1つめは「タンク内部の問題」。タンク内部で、フロート弁(ゴムフロート)の劣化や破損によりきちんと作動しておらず、十分な水量が保てていないことが原因です。節水のため、タンクにペットボトルを入れていることも同様ですので、きちんとした水量で押し流せるようにしておきましょう。2つめは「ゼット口に尿石やゴミが溜まっていること」。ゼット口とは、吸引に優れているサイホンゼット式トイレの便器に、配置されている穴のことです。ゼット口からは洗浄水が流れるので、サイホン式の吸引と合わせ、最低限の水量で押し流すことが可能。そのため、ゼット口からの水量が減少してしまった場合につまりを引き起こしやすくなります。ゼット口をこまめに掃除することで未然に防ぐことができます。定期的なチェックを心がけしましょう。
トイレがつまった時の解消方法
自分でできるつまり解消方法をご紹介します。
・ワイヤーブラシやハンガーを使ってかき出す(水溶性のものなら分解する)
・ラバーカップで押し流す
・定期的にタンク内やゼット口をチェックし、掃除する
など3つの方法がありますが、慌てて解消方法を実践する前に、必ず原因をたどりましょう。自分自身でつまりを解消しようとすることで、場合によっては状況が悪化してしまう恐れも。迷った時は業者に相談して適切な処置を行いましょう。
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