トイレのフロートバルブの交換方法
このページでは、タンクの水漏れの主な原因となるフロートバルブの交換方法を紹介しています。便器に水が漏れたり、タンクの中で水が流れる音がして困っている人にはおすすめです。
トイレのフロートバルブの交換方法
「トイレで用を足してレバーを流した後、時間がたっても便器の壁に水が少しずつ流れている」「タンクの上にある給水パイプから流れるみずがいつまでたっても止まらない」。このような経験をしたことがありませんか。こんな時は、タンク内にある「フロートバルブ」の周辺でトラブルが起きていることがほとんど。しかし、フロートバルブの修理は、簡単な作業で済むケースが多いので心配する必要はありません。そこで今回は、フロートバルブの交換方法をご紹介します。取り換えのやり方だけでなく、フロートバルブのしくみや交換時期、どこで購入できるのかなども合わせて説明しますので、万が一の場合の参考にしてみて下さい。
フロートバルブとは
フロートバルブは、黒いゴム状のものが多く、タンクの底にある場合がほとんど。そのため、「ゴムフロート」と呼ばれることもあります。フロートバルブは、タンク内の水を便器へ流す排水口を塞ぐ栓の役割をします。レバーの内側とフロートバルブがチェーンでつながっていて、レバーを回すと、フロートバルブが上へと引っ張られて栓が開き、水が流れるという仕組みです。タンク内の水が流れて少なくなり水流が弱まると、フロートバルブが排水口を再び塞いで栓が閉まり、またタンクの中に水が貯まるようになります。
つまり、タンク内の水は必ず排水口を通って便器へ流れ、その排水口の開け閉めの役割をしているのがフロートバルブ。ですので、タンク内の水が漏れている場合は、フロートバルブに不具合が起きている可能性が高いのです。
フロートバルブ以外の要因で便器へ水が漏れる理由
フロートバルブの故障以外で、タンク内の水が便器へ漏れ続ける理由として、ピストンバルブの中にあるシートパッキンが壊れていたり、ピストンバルブ本体に不具合が生じていたりすることなどが考えられます。ですが、ほとんどないと言っても過言ではありませんので、まずはフロートバルブの様子を確認するようにしましょう。
フロートバルブの交換時期はいつごろ?
住んでいる世帯の人数にもよりますが、4人家族で暮らしている場合、新築のトイレのフロートバルブの耐用年数はおよそ10年です。早い場合だと、7年から8年ぐらいで劣化が始まります。交換する目安として一番わかりやすいのは、触ってみることです。フロートバルブは、黒いゴム製のものが多いため、劣化したものを触るとゴムが溶けだしているので、手が黒くなります。こうなると古くなっている証拠なので、水漏れがおきていなくても交換しておくのがおすすめです。故障が起きる前にきちんと自分でメンテナンスをしておくことが、急なトイレのトラブルに見舞われないための秘訣ですので、普段からチェックする習慣をつけておきましょう。
どこでフロートバルブは購入できるの?
フロートバルブは、ホームセンターなどで購入することが可能。価格は500円から1,000円程度で販売されています。ただし注意しなければならないのは、種類が多種多様な点です。他のトイレ部品やタンクの部品は、メーカーさえ気を付けておけば失敗することはほとんどありませんが、フロートバルブは、同じメーカーでもサイズが違う可能性があります。ですので、購入する際には、自分の家で使っている便器やタンクのメーカーだけでなく型式もきちんと把握し、それにあったものを購入するようにしましょう。もし不安な場合は、各メーカーのコールセンターに相談するのがおすすめです。純正品の部品を送ってもらえるので、型式などが分からない時は連絡してみて下さい。
フロートバルブの交換方法
ゴム製の場合
まず初めに、止水栓を閉めてタンク内に水が入ってこないようにしておきます。止水栓を閉めたら、タンクのフタを外してみましょう。上に持ち上げれば簡単に外せるので難しくありません。ですが、注意しなければならないのは、フタに手洗い用のカランがついているタイプのもの。中には、手洗い用のカランが蛇腹管でボールタップとつながっているものがあるので、その場合は蛇腹管を上手に外しましょう。蛇腹管は、六角形のプラスティック製の留め具で固定してあることが多いので、手で回してみて硬い場合はレンチなどを使ってみて下さい。プライヤーを使うと力が入りすぎてしまい、プラスティックの締め具が壊れてしまう可能性があるので、レンチなどを使うのがおすすめです。
次は、レバーを押してタンク内の水を全て便器へと流します。全部、流し終わったらフロートバルブを取り外してチェックしましょう。劣化の進んだフロートバルブは、溶けだしたゴムの成分がかなり付着していて、手で触れると真っ黒になってしまうので、事前にゴム手袋などを準備しておくのがおすすめです。フロートバルブは、タンク内のレバーに接続してあるフックとオーバーフロー管の2か所で固定されています。先にオーバーフロー管との接続部を取り外し、その後、フックを外して、チェーンごとフロートバルブを持ち上げると、手があまり汚れなくてすむので、この手順通りにやってみて下さい。
続いて、新しいフロートバルブを取り付けます。購入時に確認していると思いますが、再度、古いフロートバルブと購入したものが同じサイズかどうかをチェックしてから、取り付け作業に移りましょう。取り付ける時も、外す時と同様にオーバーフロー管の方から先に取り付けて、その後にフックに引っ掛けるようにしましょう。
フックにかけ終わったら最後にチェーンの長さの調整が必要です。購入時は、チェーンの長さが最大になっているため、フックに引っ掛けてもチェーンがたるんだままで、いくらレバーを押してもフロートバルブは上へと持ち上がらないので、チェーンの長さを短くしなくてはなりません。使われているチェーンは、小さな丸い球が連なっている「玉鎖」と呼ばれるものなので、目安としてはピンと張った状態から1つか2つ分ほど遊びを持たせた状態が良いでしょう。取り付け終わったらレバーを押してみて、チェーンを引っ張るとフロートバルブが上へ持ち上がっているかを確認しておきましょう。後は、タンクのフタをかぶせて、止水栓を開けば完了です。手際よくやれば、5分もかからずに作業を終えることができます。
プラスチック製の場合
新しいトイレタンクの場合、フロートバルブがゴム製ではなく、プラスティック製のものが使われていることがあります。この時は、ゴム製とは違う方法で交換しなければなりません。
プラスティック製の場合、排水弁にパッキンが取り付けられていて、このパッキンが古くなってくるとタンクの水が便器に漏れるようになります。ですので、新しいパッキンと交換すれば水漏れを直すことが可能です。
プラスティック製のフロートバルブには、大小2つの排水弁がついていて、小さい方から外せるようになっているので、指でつまんで上に持ち上げましょう。次に大きい方の排水弁を取り外し、裏側を見てみると、輪っか状の黒いパッキンが取り付けられているのが分かります。このパッキンを取り換えて、元の手順で戻していけば取り換えは完了です。こちらも、それほど作業時間はかかりません。
交換用のパッキンは、ゴム製のフロートバルブと同様、ホームセンターなどで購入することができます。価格は500円程度。メーカーごとに形状やサイズが異なるので、買う前に事前にしっかりと確認をしておきましょう。
自分でやって難しそうなら水道業者に相談
自分でフロートバルブの交換をするのが難しそうなら水道業者に相談してみましょう。タンク内は、様々な部品が入り組んでいて狭く、手が入りにくい場所もあります。また経年劣化している部品は、少し力を加えるだけで壊れてしまうことも少なくありません。
では、フロートバルブの交換を水道業者にお願いした場合はどれくらいの費用が必要になるのでしょう。作業代金が5,000円~7,000円、出張料金が2,000円~4,000円、フロートバルブの部品代を1,000円と仮定すると、全部合わせて8,000円~12,000円になります。これまでに説明したように、作業自体はそれほど難しくなく、部品代も1,000円程度で済むので、それと比べるとかなり割高に感じますが、決してぼったくりではありません。逆に、事前の見積もりでこれ以上の金額を提示された場合は、必要以上の費用がかかっていると判断しても良いでしょう。専門業者に依頼する時は、ある程度の相場を知っておくのも重要です。
まとめ
タンクの水がちょろちょろと便器に流れ出す主な原因として挙げられる、フロートバルブの交換方法や部品の購入代金、専門業者にお願いした場合の費用などを紹介してきました。トイレの詰まり解消など、他のトラブルに比べると比較的、作業は簡単で部品代も高くありません。事前に作業手順をチェックして修理を行えば、専門業者に依頼するよりもはるかに安い値段で修理をすることが可能です。DIYに自信のある方はぜひ、挑戦してみて下さい。
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